【感想】トモダチデスゲーム 昨日の友は今日の敵

トモダチデスゲーム 昨日の友は今日の敵 (講談社青い鳥文庫) もえぎ桃 (著), 久我山ぼん (イラスト)

講談社青い鳥文庫、総ルビあり、小学中級から読めるデスゲームもの。

久遠永遠は、訳あってお金持ち学校に入れられた、ちょっとケンカっ早い女の子。当然、入学以来ずっとぼっち。
夏休みの登校日、永遠のクラスは突如全員、「特別授業」という名義で、地下にあるシアタールームに集められた。壁一面のモニターに映しだされた、不気味なくらいに満面の笑みを浮かべたスマイルマークは言った:『やあみんな! トモダチゲーム、始まるよ! ぼっちは削除だ!』

版元ドットコムより

青い鳥さんのデスゲームものを読みたかったので購入。

登場人物は命を落とすことはない。ゲームから退場させられていく形式だが、「社会的な死」を彷彿とさせるペナルティがある。なので、Z世代には想像以上に怖ろしい罰になっているのかもしれない。

本作で一番強く感じたことは、主人公がとても魅力的に作られていることだった。

トモダチデスゲームに出てくる登場人物はみな個性豊か。

学園の女王ともいえる存在、リーダーシップに溢れる委員長、クールな一匹狼のイケメン、いじめられっ子なのにすごい一面を持っている子など……。

それでも主人公は負けていない。自分のなかに芯があるキャラクターで、最後まで好感をもてる女の子だった。

読者にとっては一番共感を持ちやすい(主人公の永遠は一般人という設定)キャラでありながら、主人公に憧れを抱けるストーリーの運び方が鮮やかだった。

物語のテンポもよく、デスゲームものでありながらグロテスクな表現もない。

大団円のラストになるかと思いきや、次巻への引きもしっかり作られていた。

短いながらも展開が多く充分に楽しめる。

裏切りはあれど読後感が悪いように作られていないので、安心してオススメできる一冊だった。次巻もぜひ読みたい。

著:もえぎ桃, イラスト:久我山ぼん
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